この記事はClassi developers Advent Calendar 2021の1日目の記事です。
みなさんこんにちは。2021年10月からClassiの開発本部長になった@tetsuroitoです。 対外的に開発本部長の就任情報をあまり発信してきていなかったのですが、Advent Calendarというお祭りを口実に発信できればと思い、筆を取りました。
この辺りの体制変更に関する記事は本日リリースされた以下の記事をご参照ください。
Classiの開発本部とは
Classiの開発本部とはエンドユーザー向けの開発をするエンジニアが所属するプロダクト開発部と全社横断的な開発の支援を行うエンジニアが在籍する開発支援部、そしてデータを取り扱う組織であるデータ/AI部の3つの組織が同居するエンジニア組織です。
私はこれまでデータ/AI部の部長をしていたので、本部内のいち部長という役割だったのですが、今回の人事において、ソフトウェアエンジニア全般も管掌する役割となりました。
記事を書くモチベーションについて
今回、役割が変わる上で、非常に困惑した事態に見舞われました。 具体的には下記のような内容です。
- これまでのデータサイエンスなどの専門性以外のメンバーが多くなった
- マネジメント規模が10名弱から100名弱へと10X成長
- 今までのやり方をすべてUnlearnする必要があった
得てしてこういった人事は風雲急を告げるものです。準備期間が十分に用意されているわけもなく、差し迫った状況での意思決定を迫られました。 また、こうした職位の変更に伴う参考情報も世の中にまだ十分あるわけではなく(見つけられていないだけかもしれないが)、企業の数だけ職位があることを考えると、こうした変化点での記録が別の誰かの参考になるのではないかと思ったので、そうした記事を書きたいと思いました。
記事がないとは言いましたが、ZOZOのそのっつさんの記事にはとても助けられました。 千葉方面には足を向けて寝られません。
本部長になるにあたってやったこと
これまでの業務の引き継ぎと棚卸し
まだ2ヶ月ほどしか経過していないので、それほど多くはありませんが、これまでにやってきたことをふりかえります。 まず、私はそれまで社内のデータ分析基盤を開発・運用するデータプラットフォームチームのリーダーとデータ/AI部の部長を兼務していたこともあり、前者の役割をチームメンバーに移譲し、部長の業務の棚卸しを行って、権限を移譲できるものはすべてメンバーに渡していきました。 どんなことをやっていたかは過去の発表資料に記載しているので、興味があればご覧ください。新しいことをする上で必要なことは自分自身の業務キャパシティの余裕を作ることが大事だと考えたためですが、迅速にこれらを行ったことは良かったと思っています。 誤算だったことは権限と紐づく業務については手放すことができず、残存する業務が残ってしまったことがあげられます。
所信表明
次に、開発本部長になるにあたってesaに所信表明の記事を書きました。
これ以外にも、エンジニアが毎月全員集まる開発本部全体会や全社員が一同に集まる全社会でも所信を表明しましたが、そのベースとなるものがこの記事でした。 内容は経営陣からどんな期待がなされているか、開発組織を今後どんな風にしていきたいのかという部分を中心に書きましたが、社内のメンバーから反響が良かったのは、この意思決定に際して、ClassiのValueに照らし合わせて考えた部分でした。
ちなみに、私のキャリア観については過去のイベントで話した資料に書いてあるので、興味があればご覧ください。
読むべき書籍のアドバイス
Classiでは人事関連のサポートをいただいている顧問の方がいらっしゃるのですが、その方に今回の役割変更に伴って、インプットするべき書籍のアドバイスを求めました。的確に私の意図を汲んでいただき、アドバイスをいただくことができました。 以下、エッセンスを紹介いたします。
- 前提1:本部長はその領域の未来価値と現在価値の最大化を担う
- 前提2:本部長はその領域の方向性において判断のみならず決断も行う
- 前提3:本部長はその領域の全方位的な執行を担う
- 前提4:本部長は次の本部長を輩出する
- 前提5:本部長は本部長自身が持続的・発展的に幸福であらねばならない
カテゴリ | 書籍名/作者 |
---|---|
リーダーシップと実践 | 決定的瞬間の思考法/ジョセフ.バダラッコ |
リーダーシップと実践 | ニュータイプの時代/山口周 |
戦略 | 最強のシナリオプランニング/梅澤高明 |
戦略 | 経営戦略全史/三谷宏冶 |
戦略 | デジタル戦略/根来龍之 |
人的資源の最大化とマネジメント | 経営人材育成論/田中聡 |
人的資源の最大化とマネジメント | 越境的学習のメカニズム/石山恒貴 |
人的資源の最大化とマネジメント | 遊ばせる技術/神谷俊 |
リベラルアーツ | プロセスエコノミー/尾原和啓 |
リベラルアーツ | 幸運学/杉浦正和 |
書籍を買うのは得意なので、すぐに全部を購入しました。まだ読み途中のものが多いのですが、なかなか自分ではチョイスしない分野やトピックなので、興味深く読むことができています。
本部直下の技術戦略室を設置
先ほどの組織図の記載にもありますが、開発本部の直下に技術戦略室という組織を作りました。Classiではマトリクス組織の構造を選択していますが、戦略的に何かを動かしたり、教育や研修を行えるような組織がなかったことから、そうした活動を運営する組織として立て付けています。
先日、秋の新卒の受け入れを行い、今は新卒研修を絶賛実施しているのですが、技術戦略室のメンバーが自律的に行ってくれていて、手応えを感じています。
開発本部全員との1on1を実施
やり方を変えなければいけないと前述したにもかかわらず、これまでのやり方を踏襲した施策に思えるかもしれません。実は私も最初はこれを実施すべきかどうか非常に悩みました。 そこで、社外の人事関連の方や開発組織を束ねているCTOにこの施策をどう思うかを相談しました。結論から言うと、やるべきだという結論にいたり、100名弱いる開発本部のメンバー全員と1on1を実施しました。 これまで一度も話をしたことがないメンバーも多く、身構えてしまう可能性もあるため、こちらで簡単なアジェンダを用意しました。
先日、無事にこの工程を全て終えました。実施中の1ヶ月間は本当に体力的に厳しく、週末などはかなり回復に努めなければならないといった影響はあったのですが、意を決して実施して本当に良かったと思っています。 終了後に全体会の場で、結果の共有をして、この施策の中で見えてきた組織が抱える課題や問題についてのアクションプランも発信しました。 今はそのアクションプランを実行しているフェーズです。
今後に向けて
まだまだプロダクトや組織にも様々な課題が存在しています。 教育業界自体もコロナの影響やGIGAスクール構想、そして新学習指導要領の適用が全学年で行われる時期に差し掛かるために、大きな転換点を迎えています。
Classiもそれに向けて、昨年ビジョンの改定を行っています。
先生とともに、学びから学ぶ仕組みを創り、ワクワクする子供を増やすためのエンジンとなる開発組織を今後は牽引していけるように日々頑張っていければと思います。
明日のClassi developers Advent Calendar 2021の担当は沼沢 一樹さんです。楽しみですね!
PR
今年も書籍を書きました!発売日が差し迫ってきているので、ご紹介させてください!